胃の動きが悪くなる原因
胃の動きが悪くなる原因としては、以下のようなものが挙げられます。
1加齢
筋肉の収縮によって食べ物を小腸へと送り出す「蠕動運動」が低下することで、食べ物の消化に時間がかかるようになります。
2ストレス
過度のストレスは、消化器の機能をコントロールする自律神経のバランスを乱します。それにより、食べ物を消化する・小腸へと送り出すという胃の機能が十分に働かなくなります。
3食べ過ぎ・飲み過ぎ
食べ過ぎると、それだけ胃での消化にも時間がかかります。脂っこいものなど、消化しにくいものを食べ過ぎたときにはなおさらです。
飲み過ぎも胃の動きを悪くする原因となります。また、胃の粘膜への刺激も強く、血流を悪くしたり、吐き気・嘔吐の原因にもなります。
4妊娠
妊娠すると、ホルモンバランスが大きく変わり、胃の動きを悪くすることがあります。胃もたれや吐き気など、いわゆる「つわり」の原因にもなります。
また、子宮が大きくなることで胃が圧迫され、同様に動きを悪くすることがあります。
胃の動きが悪くなると…
胃に到達した食べ物は、胃の蠕動運動によって胃液と混ざり、ドロドロになって小腸へと送り出されます。
この一連の胃の動きは、自律神経によってコントロールされています。
しかし、先述したような原因によって胃の動きが悪くなると、蠕動運動が低下し、胃もたれなどの症状が起こりやすくなります。
機能性ディスペプシアについて
胃の動きが悪くなって起こる病気の1つに、「機能性ディスペプシア」があります。2013年に健康保険による治療の対象となり、現在は10人に1人がこの病気であると言われています。
胃カメラ検査などで器質的な異常が認められないにも関わらず、胃もたれ、早期飽満感(食べ始めて早くに満腹を感じ、必要な量を食べられない)、みぞおちの痛みなどの症状が慢性的に出現します。薬物療法や生活習慣の改善による治療が可能ですので、症状が気になる方はお気軽にご相談ください。
当院では、日本消化器内視鏡学会の専門医である院長が、経口内視鏡・経鼻内視鏡のいずれにも対応した胃カメラ検査を実施しています。鎮静剤を使用して、ほとんど苦痛なく検査を受けていただくことも可能です。
胃の動きを良くする方法
薬物療法
機能性ディスペプシアと診断された場合には、胃の動きを改善する薬、胃酸の分泌を抑える薬などを使用した治療を行います。強いストレスを原因としている場合には、抗不安薬が有効なこともあります。
生活習慣の改善
機能性ディスペプシアの予防や治療、再発防止のためには、生活習慣の改善も重要です。主に、以下のようなことに取り組んでいきます。ライフスタイルはさまざまですので、患者様お一人お一人に合ったものを提案いたします。
- よく噛みながら、時間をかけて食事をする。また、毎回満腹まで食べるのではなく、できるだけ腹八分目に留める
- 脂っこいもの、香辛料などの刺激の強いもの、アルコールの摂取量を抑える
- 消化をよくするため、食後はあまり活発に動き回らない
- 自律神経のバランスを正常化させるため、十分な睡眠と、適度な運動を習慣づける
- 禁煙する